お子さんの将来を見据えた矯正治療を
ヒロ歯科クリニックでは、お子さんの歯並びが悪くなってしまう原因や時期に合わせて、いくつかの治療方法をご用意しております。
歯並びを改善するには、ただ矯正装置をつければ良いというものではありません。
日常の生活習慣や、成長の過程によって対策は異なります。当院では、お子さんの将来を見据えた矯正方法をご提案しています。
お子さんの歯のことを考えてあげられるのは、お母さんお父さんです。
歯並びが悪いと、お子さんが将来自分の歯にコンプレックスを持ち、心から笑えなくなってしまう可能性があります。
また、機能的な問題も出てきます。まず、噛み合わせが悪くなることで顔の骨に力が伝わらず、顔の成長に支障が出ることがあります。
また、消化器系に負担がかかったり、栄養を効率よく吸収できなくなってしまいます。歯並びが悪いと歯磨きがしにくくなるため、むし歯や歯周病にもかかりやすくなります。子供のうちは自分の口の中にまで意識が行き届きませんし、歯並びを治さないといけないという知識もありません。お子さんの将来のためにも、是非一度、カウンセリングにいらしていただければと思います。
むし歯だけでなく、舌が正しい位置にあるか確認することも
大切になります
顔や顎が一番成長する時期です
舌の位置は正しい位置にありますか?
「舌が上顎についている状態」が正しい位置です。
もし、常に口があいている、ベロがだらんとなっている、舌足らずな喋り方をしているようであれば、舌が上顎についていない低位舌の可能性があります。
舌が正しい位置にないとどんな不具合が生じるの?
舌が上顎についていない(低位舌)の状態では、いろいろな影響がでます。
口腔内の下の方に舌がある場合は、噛むときに上顎に舌を押し付けにくいため、しっかり食べ物を噛めずに飲み込みにくくなります。
そのため、口周りの筋肉がしっかりと発達せず、顎がしっかりと成長できなくなります。顎の成長がうまくいかないと、歯に対して必要な顎の大きさが確保できず歯並びが乱れてしまいます。
また、舌が上顎についていないとしっかりと口を閉じることができないため、歯と歯の間が開く、出っ歯になる、反対咬合になる、また常に口呼吸になる状態をつくってしまいます。
右図のように、6歳までは、顎の成長よりも歯の成長が早い傾向にあります。
顎の成長が歯の成長に追いつかないと、歯が生えてくる場所が足りなくなり、歯並びが乱れてしまいます。
口がいつも開いていると、唇で前歯を内側に押し込むことができず、前歯が前に出てくることもあります。
また、「頬杖をつく」「口が常に開いている」などの習慣が原因で歯並びに影響することもあります。
3歳児健診で「反対咬合(受け口)」と診断されたらご相談ください
3歳児検診で反対咬合(受け口)と認められるお子さんの割合は、4%を超えると言われています。
また、その中の多くのお子さんは、「様子見」によって自然治癒を期待されているようです。
しかし、ある調査によると、乳歯が揃った後に反対咬合が自然治癒する確率は、わずか6%しかないことが分かっています。
当院では、子供専用のマウスピース「ムーシールド」を使用した治療を行っています。ムーンシールドは3歳児から始められる受け口のための治療方法です。通常の矯正装置と違い、「日常生活で気になることはほとんどない」という理由もあり、多くのお問い合わせをいただいております。
お子さんの歯並びが気になる方、お子さんが反対咬合(受け口)の方は、一度ご相談にいらしていただければと思います。
舌のクセ、顔の筋肉バランスを治す矯正装置「ムーシールド」 について
舌や口唇にも、歯並びが悪くなる原因があります。
歯並びは、舌の動き・口唇の圧力・顔の筋肉など、様々な要素の絶妙なバランスによって保たれています。
自然に口を閉じた状態で、自分の舌がどの位置に収納されているのか確認してみてください。通常は上顎に少し触れている位置にあります。
ところがお子さんの中には、舌が常に口の中の下の方に置かれている方がいます。
そうなると、無意識のうちに舌で下の前歯に圧力をかけてしまい、圧力をかけられた歯が前へ出てきます。
これが、反対咬合(いわゆる受け口)の原因の一つです。また、上唇の圧力が強すぎると、上の前歯が内側へ向いてしまい、これも反対咬合の原因になります。
このような舌のクセや口唇・筋肉のバランスを治すために有効なのが「ムーシールド」という矯正装置です。
ムーシールドは、マウスピースのような形をしており就寝時に装着することで、
- ● 噛み合わせの改善
- ● 舌や口唇の圧力バランスの改善
- ● 舌を高い位置に保つ
といった効果が期待でき、早期初期矯正治療に使用されています。
通常の矯正のように、歯に力を加えて位置を変えていくのではなく、歯の周囲の環境を整えることで歯を正常な位置に戻すのがムーシールドによる矯正治療なのです。
口腔機能の発達不全をご存知ですか?
ヒロ歯科クリニックでも、口腔機能発達不全の検査・治療を行うことができますので、お気軽にご相談ください。
口腔機能発達不全とは
「食べる機能」「話す機能」、その他の機能が十分に発達していないか、正常に機能獲得ができておらず、明らかな摂食機能障の原因疾患がなく、口腔機能の定型発達において個人因子あるいは環境因子に専門的関与が必要な状態のことを指します。
(※日本歯科医史学会「口腔機能発達不全症に関する基本的な考え方」より)
お子さんの口元で気になることはありませんか?
- ● いつも口が開いている
- ● 話し方がちょっと舌足らず
- ● 食事の時間が長い、または短い
- ● いびきをかく
- ● 口で呼吸をしている
- ● 舌が常に口腔内の下の位置にある
上記は、口腔機能の発達不全の症状の一部です。
放置しておくと、食べる機能、話す機能、歯並びに影響を与えてしまうため、気になることがあればすぐにご相談ください。
口腔機能発達不全の治療で行う事
顔(歯や顎)の成長に必要なことを指導します
当院では、歯並びを矯正で治療するだけでなく、その根本となる顔の成長に必要な指導も行っています。ガタガタの歯並びは、顎の成長不足の結果です。
歯を正しく使うことで顔(顎を含む)が正常に発育し、顔が正しく発育すれば綺麗な歯並びになります。
顎の成長に必要な指導内容について
しっかり噛んで、口周りの筋肉や骨を成長させましょう
正しく噛むことで、唇周りの成長につながります。
食材の種類や切り方、食べ方を工夫しましょう
食材は大きめに切り、前歯でしっかりとかぶりつきながら食べることで、口周りの筋肉を正しく使えるようになります。また、口の中に長く残る繊維質を多く含む食材を使用しましょう。
● お勧め食材
のりを巻いた大きいおにぎり・とうもろこし、骨付き鶏肉・皮付きりんご・フランスパンなど
前歯の歯根は長く、鼻の近くまで伸びています。前歯でしっかりと噛むことで上顎に刺激が与えられます。刺激により上顎骨が発達し顎や口周りの筋肉が発達します。
食べることは運動です。ダラダラ食べはやめ、食事は最低15分かけてしっかりとリズミカルに噛みながら食べましょう。
水分のとり方を工夫しましょう
水分は食前または食後にとるようにしましょう
食事中ではなく食事の前後に水やお茶を飲むようにすることで、しっかり噛みながら食事をすることができます。
水分をとりながら食事をすると、噛まずに飲み込んでしまいます。
食事中は唾液がでるので無理に水分を取る必要はありません。それよりも、しっかり噛み食事をするために、水分は食前または食後にとるようにしましょう。
悪い習慣をなくしましょう
悪い習慣を変えることで、歯並びの乱れを抑制することができます。
口が開いていると、バランスが悪くなります
口周りの筋肉が弱いと、口がぽかんと空いている状態になります。
また、口が開いていると歯列不正や出っ歯になりやすくなります。
出っ歯になると口が閉じにくいのですが、気をつけて口を閉じることで修正することもできます。
頬杖はやめましょう
頬杖や顎を押すような習慣は、頭の重さが直接かかり、顔が曲がったり潰れたりすることがあるのでやめましょう。
顎の成長不足の原因を考えることや食事の環境を見直すこと、悪い習慣をやめることも、生理学的機能療法という本来の治療法の一つです。
器具を使用した矯正はあくまでも補助的なものと考えています。
食生活や悪い癖を正しく修正することで、器具をつけた場合もスムーズに矯正が進み、後戻りも少なくなります。
成長過程にあるお子さんのためにも、口腔機能の問題を一緒に解決しましょう。
6歳までに生活習慣や癖を改善しながら、その改善の結果を見たうえで、床矯正が必要かどうか一緒に検討させていただきます。
「もう少し早ければ」と後悔しないために
生活習慣や食習慣を気付けることで改善に繋げることができます。
初回は保険の適用範囲内で検査・診察をしておりますので、お気軽にご相談ください。
大人の歯が生え始める時期です
「歯科検診で歯並びを指摘された」「ちょっと歯並びがおかしいかも?」と思った時はご相談ください。
ヒロ歯科クリニックでは、この時期の矯正は「床矯正」をお勧めしていますが、床矯正はあくまで補助的な矯正と考えています。
矯正治療と同時に、お子さんの食事の環境の見直しや悪い習慣をなくすことが、スムーズな歯並びの改善に繋がります。
当院の床矯正の考え方
顎の大きさと歯の大きさのバランスが崩れることが、歯並びが崩れる一番の要因です。
右の図をみると、顔(顎)の大きさは、0~6歳に一番成長し、6歳~10歳で一旦落ち着きます。
その成長の落ち着いた時期に床矯正で顎を広げ、顔(顎)の成長を取り戻し、歯並びを改善しようというのが当院の床矯正の考え方です。
矯正装置は、歯ではなく歯ぐきに装着します。
この装置が歯ぐきを広げる方向に力を加えることで、歯が綺麗に並ぶためのスペースを作っていきます。
床矯正を実施する際に最も重要なのは「時期」だと考えております
それは考え方の違いであり間違いではありません。
しかし、ヒロ歯科クリニックでは、顎の発達が落ち着いているこの時期に床矯正を行い顎を成長させる事で、歯並びの乱れやワイヤー矯正時の抜歯を防ぐためにこの時期の床矯正を推奨しています。
他にも、この時期に床矯正を推奨している理由は、お子さんの顔の成長は6歳までの間に80%が完了し、10歳以降に再び成長します。そのため、6~10歳に床矯正をすることで、顔のバランスも良くなります。
この時期に歯並びを良くしておかないと、噛み合わせが悪くなり、上顎への発達刺激が不足し、顔全体がアンバランスに成長していってしまうことがあります。
また、床矯正と同時に食生活や癖を改善することで、スムーズに矯正が進めることが可能になります。
負担が少ない「床矯正」を行っております
「床矯正」について
負担が少ない理由1:取り外しが可能
床矯正がなぜ負担が少ないかと言うと、「通常の歯に装着する矯正装置と違い、取り外しが可能だから」という理由が第一にあげられます。
取り外しができるため、食事をする際の違和感がありません。
取り外しができる事による注意点
自分で取り外しができる。というメリットの反面、「取り外した際に無くしやすい」というデメリットもあります。そのため、当院では床矯正用のケースを一緒にお渡ししています。
外出時の食事、また運動時などに器具を取り外すときは必ずケースに収納していただくことで、紛失を防ぐことができます。
ただ、6歳~10歳は、自分でものを管理することが難しい年齢です。ケースの携帯を忘れることもあるため、外出時はご家族の方がケースを持っているか一言お子さんに確認をしていただきたいと思います。
負担が少ない理由2、短時間での治療が可能
また、永久歯の抜歯をしてスペースを作る必要がなくなる可能性が高まります。
顎が小さく、将来の歯並びが心配なお子さんに適した矯正治療です。
床矯正の取り扱い方
- ● 1日14時間以上は装着する
※飲食・歯磨き・運動時は外してOK
※顎が広がらないことがあるため、装着時間厳守 - ● 月に1回来院しチェックを行う
取り外し方
両手ではめ、両手で外す
※片手や舌で外さない
床矯正は歯並びを治すわけではありません。あくまでも歯に対しての顎のスペースを広げるための矯正です。そのため、犬歯が生えた段階でブラケット矯正に移行する場合もあります。
ブラケット矯正に関しては、無理に勧めることはありません。歯の状態とご家族、患者さんの意向をお聞きしながら相談させていただきます。
床矯正からブラケット矯正へ
床矯正からブラケット矯正に移行する場合には、歯と顎の成長度合いを確認しながら行います。永久歯が生え揃ってからではなく、その前に一旦お越しいただき、相談しながらベストな時期や方法を一緒に検討しましょう。
口周りや顔の成長が始まります
噛み合わせが安定し、正しく噛めるようになるのが目標です
10歳以降は、再び口周りの成長が始まります。
このタイミングでの矯正は、歯にバネを装着して正しい位置へ誘導する「ブラケット矯正(いわゆる一般的な矯正)」を行います。
癖を治すことが大切です
ブラケット矯正は、ある程度強引に歯を動かす矯正なので、矯正後は後戻りをすることがあります。
生活習慣や悪い癖があると後戻りが早くなることもあるため、矯正と同時に癖や生活習慣を治すことも大切になります。
早めの実施で、より綺麗な仕上がりに
10歳の時に再開した顔の成長は、14~17歳くらいまで続きます。
できるだけ早い時期にブラケット矯正を行うことで、顔の成長に合わせて綺麗に仕上げることができます。
また、早い時期に歯を整えることは、将来、抜歯する可能性が減るといったメリットもあります。
ご両親の方にご協力いただきたい事
調整具合によっては痛みが我慢できず、お子さん自身で器具を取り外してしまったという事例があります。
器具の調整で痛みが出ないようにすることもできますので、時々はお子さんに声をかけていただき、装着具合などをご確認していただきたいと思います。
また、お子さん任せではなく、時々はご両親も一緒に来院していただけると計画通りに矯正をすすめることができますので、ご協力をお願いします。
症例や診療内容など、小児矯正についてのブログを随時アップしています!
「ヒロ歯科クリニックの小児矯正をもっと詳しく知りたい」という方は、是非ご覧ください。